随分と前からＲＰＡ（Robotic Process Automation）と言う考え方があって、それによってオフィスのＤＸ化が進んでます。
これは、すでに導入しているシステムの使い勝手をさらに向上するために、手作業部分や他システムとの連携などを専門のＲＰＡツールを使って、その作業手順をシナリオというスクリプトで組み立てて、自動化する方法なんだけど。
僕はたまたま担当業務に利用する機会が無かったので、ライセンスを割り当てられて無かったのもあって、全く使っていないんだけど、過去には今流行っているＲＰＡの一つについては使ったことがある。かれこれ２０年も前のことなんだけど、そのＲＰＡの開発会社から直接勧められて、一番最初のバージョンをソフトウェアのテストに利用できるかの検証を実施し、実際にソフトウェアのテストに利用していたことがある。テストデータやその操作のシナリオを一度作成すれば、同じ試験を再現してくれて、とても便利だった。当時は、すでにソフトウェア開発の現場ではテストツールとして利用され始めていた。
それが最近では、普通のオフィスの事務処理に使われ始めたんだけど、これには落とし穴がある。
そのツールを使いこなせて、自動化の組み立てができる人が必ず常時ひとりはいないと意味がないんですよ。それは、元のシステムの改修とかで、インターフェースの変更があったりとかで、動作しなくなったり、それをメンテする人がいなくなって、使えないものになってしまうということがある。ソフトウェア開発の現場では、ＲＰＡのシナリオをメンテナンスできないなんて、あり得ない話なので問題ないけど、一般の事務所とかでは、話が違う。
これは、一昔前のＥＵＣ（End-User Computing）のことと全く同じことで、当時はExcelやAccessをVBAでＤＢと連携したりするツールが流行ったんだけど、同じく対応ができる人を確保することができなくて、うまくいかなくなる例が少なくなかった。これは旧来の情報処理の世界では常識となっていた。
そして、ＲＰＡと名前が変わって、再度オフィスに登場したんだけど、後先考えずにツールは作るもんじゃないと言うのはわかるんだけど、明らかに便利になるので、省力化のためにドンドンと使ったほうが良いと考えるのは当然で、ただ、問題はスキルの継承なんだよね。でも、そもそもそう言う時代になっているので、人がついていかないといけないんでしょう。まぁ、ＲＰＡのシナリオ作成ならプログラムを組まなきゃいけないＶＢＡと比較するとノーコードなので、そこまでは難易度高くないですからね。
これからはＡＩとかを使いこなしてこれを克服するか、展開されたツールは、やはりちゃんとコストメリットを考えて、そのツールをメンテナンスしてくれる専門家へ依頼しなきゃいけないんでしょう。
とにかく、動かなくなった時のダメージが大きいので、普段からその対処は考えとかなきゃいけないんでしょう。
あとは、同じＲＰＡのシナリオが多くの組織で広く展開されたりしてたら、それは明らかにその業務に必要な機能なので、対応する組織、担当を明確にして、メンテナンスされなきゃいけないですよね☺️